運命の女

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『へいへい、期待してるよ』 俺は皮肉っぽく言うと通話を切った。 何だかんだ言っても面接だからな、とりあえずさっき高志が言ってたことを頭の中でシュミレーションして面接に備えた。 午後5時30分 寝癖も直したし歯磨きもオッケー、スーツもバッチリ!面接のシュミレーションも5回はしたと思う。 完璧だな。 するとそこに仕事から母さんが帰ってきた。 『あんたそんな格好して何しに行くとね?』 ニート生活に馴染んでいた息子のまさかの姿を見て、母さんは唖然としていた。 『バイトの面接に行ってくるよ』 母さんはまさかの言葉に一瞬動きが止まった。 そして 『やっとやる気になったとね、頑張りんしゃい!』 俺がニートになってから母さんはますます忙しそうだった。 『やれるだけのことはやってみる』 そう言って俺は家をあとにした。 6時10分前に店に着いた。 裏口から入ると事務所と書かれた扉を見つけた。 俺は頭の中でもう一度シュミレーションしてから深呼吸すると扉を軽くノックした。 『どうぞー』 中から女性の声がした。 『失礼します』 俺は軽く扉を開いた。 するとそこには天使が座っていた。
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