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質問って言われても特にないしなぁ。電話番号教えてってのもまずいし・・・
俺は少し考えて答えた。
『アピール出来る程のものはないけど、一生懸命頑張りますのでどうかよろしくおねがいします、あと・・・約束は必ず守ります!それだけが取り得です!』
やってしまった・・・
舞い上がってた俺はなんて恥ずかしいことを言ってしまったんだ・・・
『ふふっ』
彼女に笑われてしまった。
べつにいいさ、不合格ならもう会うこともないしさ。
それにしても笑った顔は美人っていうよりも可愛かった。
見た感じ歳も近そうだった。
『わかりました。では結果は今週以内に連絡しますね。これで面接を終わります』
『ありがとうございました』
こうして面接は終わった。
これが彼女との出会いだった。
面接が終わると俺はバスに乗り家路についた。
『ただいま~』
『おかえり、面接どうだった?』
興味津々に母さんが聞いてきた。それもそうだろうな。ぐうたら息子がやっとやる気になったと思ってんだから。
『どうだったって、別に普通だよ』
恥ずかしいこと大声で叫んで笑われたなんて言えねえよな。
『受かってたら良いね、早く母さん楽させてよね』
駄目な息子で悪かったな。
でも俺が働かなくなって母さんが苦労してるのは確かだしな。最近白髪も増えたし、悪いな母さん・・・
面接受けて四日たった日曜日。
全く連絡が無い・・・
どうせ落ちたんだろうなぁ。
すると携帯の着信が鳴った!
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