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僕はあまりのことに一瞬固まってしまった
なぜなら僕に勉強を教えてほしいと言う奴はコイツが初めてだったからだ
しばらく沈黙が続いた
「・・・やっぱりダメ・・ですか?」
先に口を開いたのはアイツ
心配そうに僕の顔色をうかがっていた
僕は考えた末に
「勉強を教えるのは別に構わない、だが一つ条件がある」
「じょ・・条件ですか?」
アイツが生唾を呑むのがわかった
「そうだ、条件は僕が君に勉強を教えてることを誰にも言わないで欲しい」
アイツは少し驚いた顔をした
「え!どうしてですか?」
龍一は困ったように顎(アゴ)に手を置き話し出したそのとき
「理由は・・」
ガラガラガラ
「なんだ、お前らまだいたのか?早く帰りなさい」
グッドタイミングで担任が教室のドアをあけた
ふぅ~助かったぜぇ
いつも五月蝿い担任でも、たまには役に立つんだな
「あ、先生!すみません今から帰りますので、ほら行くぞ」
僕はここぞとばかりに笑顔で担任に軽く会釈しアイツの腕を掴んで早足で教室をでた
そのまま校門をでて近くの自動販売機の前まできた
所で
「はあはあ・・ちょっと待って下さいよー羽山君」
アイツが息切れしてその場にヘタヘタと座り込んだ
僕はその情けない姿に呆れながら
「少し走っただけで疲れるなんて貧弱にもほどがあるな」
まだ荒い呼吸をしているアイツが息切れしながら
「はあはあ・・羽山君は・・運動神経いいですもんね!はあはあ・・僕は運動ダメなんです」
龍一はアイツの話しなど聞かずに自動販売機でジュースを一つ買っていた
ガコン!!
ルーレトが回り
ピッピッピッピ
ピー!アタリデス。もう一本
「よっしゃー当たりじゃん!今日ついてるー♪」
機械音がながれ龍一はもう一度ボタンを押した
ガコン!!ジュースをとりだしアイツに投げ渡した
「ほら、当たったからやるよ」
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