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動いてくれ！
見ているわけにはいかないんだ！
必死で足に力を入れる。
美紗は千華の顔面に向かって、拳を振り降ろしている。
何度も。何度も。
千華は両手でそれを防いではいるが、いつまで耐えられるかは分からない。
「ぬああ！」
稔は叫び足に力を入れた。
真っ直ぐに立つ。
「千華！」
取っ組み合いの二人に近付くと、美紗目掛けて突っ込んだ。
稔に体当たりされ、美紗の体は千華から離れ吹っ飛んだ。
吹っ飛んだ場所が悪かった。
美紗は木に勢いよく激突した。
体当たりした稔の体も、勢いを止められず地面に激突した。
「にぎっ！」
変な声と共に体に激痛が走る。
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