ヒーロー

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「足だけでも縛っておけば、時間は稼げるわ」 千華は立ち上がろと美紗に近付いた。 美紗の横に来ると座る。 袖を足にかけた。 瞬間、美紗の体が動いた。 「許さない!」 千華に飛び掛かった。 不意を突かれた千華に反撃のチャンスは無かった。 美紗の手には、棒が握られている。 バッターの様に振りかぶった。 そして、千華に向かって思いきり振った。 棒はまともに千華の顔面をとらえた。 千華の体が吹っ飛ぶ。 「千華!」 稔は体に力を入れた。 だが、力を使い果たした体は、動かす事すらままならない。 「千華!」 もう一度叫んだ。 千華は地面に倒れ呻いている。 美紗が稔を見た。 そして、フラフラと稔向かって近付いて来た。
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