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「来ないでくれ!」
稔は怒鳴った。
「大丈夫。私、千華だよ」
「胸元を見せてくれないか?」
千華か美紗は頷くと上着を引っ張った。
胸元にホクロがある。
千華だ。
稔は安堵の息をはいた。
「千華……良かった……」
千華はベッドの横に置いてあるイスに座った。
稔の手に千華の手が触れた。
瞬間、稔は吐き気に襲われ意識を失いそうになった。
「ごめん……手どけてくれないか?」
「え?」
千華は不満そうな顔をしたが、稔に触れていた手をどけた。
吐き気が治まった。
「どうして?」
「体が拒んでる……千華だって分かってるけど、美紗と似てるから……でも、千華が嫌いなんじゃない。それは分かって欲しい」
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