きっかけ

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俺が、この道を選んだきっかけは一年前、高校二年の夏まで遡る。 当時の俺には、これと言って目標がなかった。 ただ、高校を無事に卒業すればいい…、そんな考えだった。 きっかけは、本当に偶然だった。 この日、家にいてもやることがなかった俺は、基樹と夏帆とともに、遊びに出かけていた。 そのときに、偶然やっていた舞台があった。 ちょっと興味を持った俺たちは、チケットを買い、中に入った。 その舞台は、ミュージカルで、メインになっているのは、[ICE]という男子五人組で、ある人はメンバーを優しく見守り、またある人はハイテンションで周りの人に元気を与え、またある人は謎多き人だった。 最初は、つまんないな~と思いつつ見ていたがある二人を見てから、俺は食らいつくように舞台を見ていた。 二人のうち一人は、歌と演技がうまく、もう一人は、役の裏表をうまく演じていて、いつの間にかこの二人に憧れを抱いていた。 舞台が終わった後、俺は感動のあまり動けないでいた。 京「二人とも、先に帰っててくれないか?」 基樹と夏帆は、俺の考えていることが分かったのか、ただ 中「わかった。なんかあったら、連絡しろよ(笑)」 そう言って、二人は帰って行った。 会場の中に誰も居なくなって、俺は席に座ったまま動けないでいた。
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