2.wrong

3/13
前へ
/42ページ
次へ
  一度ショッピングモールのトイレで髪型を確認した後、店の前を一気に抜ける。 そして待ち合わせ場所である中央広場に着いた。 開けたそこでまず目に入ったのは、大きな大きなクリスマスツリーだった。 凄い迫力だ。 この木は作り物では無く、本物の木を移植したもので、その大きさは日本屈指であるという雑誌の記事を思い出す。 だからだろうか。 こんなにも圧倒されるのは。 ふと本来の目的を思い出し、周囲に目をはしらせる。 どうやらまだ結香は来て居ないみたいだ。 木を中心に円状に囲んだ、空いているベンチの一つに腰掛ける。 落ち着いて見回すと辺りに他のカップルの姿は見えなかった。 居るのは家族連れや純粋に買い物を楽しむ客、そしてクリスマスツリーの下でせっせと飾り付けをする作業服を着た男だけだった。  
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加