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それから一週間が過ぎた。
世界は混乱状態に陥り、犯罪数は増加、なにもしない科学者への怒りにより、世界中で科学者を狙った襲撃事件が多発していた。
『次のニュースです。また世界各地での大規模な科学者狩りが行われました。皆さん、科学者は我々に残された唯一の希望です。そういった行為はくれぐれもおやめ下さい』
(何が希望だ!散々偉そうなこと言っといて、肝心な時に役にたたねえじゃねえか)
(私は近所の科学者が、自分だけ最高級のシェルターに入っていくところを見たわ!)
(くそ高い科学税を取ってる癖に、なんで何もしてくれないんだよ!)
人々の不満、不安、不信、ありとあらゆる負の感情は最高潮に達し、それらは全て科学者へと向けられていた。
「大変です。私が博士を守らなければ」
ミーナは、そんな人々にマッドサイエンティストが襲われる可能性を危惧し、夜も寝ないで警備に当たった。
「ナナ、もう休むんだ。私なんて誰も狙わないさ」
「ミーナです。それより私のことなどお気になさらず、作業を進めて下さい」
マッドサイエンティストがいくら言ってもミーナはマッドサイエンティストのそばを離れようとはしなかった。
そんな日々が続いたある日、とうとうマッドサイエンティストの家にも人々はやってきた。
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