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(おい!出てきやがれ!)
(てめえも何もしない科学者と同じなんだろう!?)
(構わねえ!壊しちまえ!)
扉を壊そうとする人々。
ミーナは中で震えながらもフライパンを持ち、マッドサイエンティストを守ろうとしていた。
「は、博士。このままでは扉が破られてしまいます。どうしましょう?」
「ナナは裏口から逃げなさい。そうすればただの一般人にしか見えない。きっと襲われることはないさ」
マッドサイエンティストは作業を進める手を休ませることなく言った。
「ミーナです。それより博士はどうするのですか?一緒に逃げましょう」
「それは出来ない!私はあいつの意志を継いだ!世界を救わなければならないのだ!」
「それならば私も残ります」
マッドサイエンティストの言葉に、ミーナはフライパンを持つ手に力を入れながら言った。
「それは駄目だ!私は君を失いたくない!さあ早く裏口から逃げるんだ!」
マッドサイエンティストは裏口を指差しながら怒鳴った。
「………博士は勝手です。そんな博士の言うことは聞きません」
自分の言うことに初めて逆らったミーナに驚きながらも、マッドサイエンティストは小さく呟いた。
「………それなら仕方ない。」
マッドサイエンティストは厳重に管理されていた小さな赤いスイッチを押しながら最初で最後の命令をした。
「私を置いて逃げなさい」
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