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その時、その叫びを聞きつけた人々がサイエンティストの部屋へと入ってきた。
(見つけたぞ!覚悟しろ!)
(おい!こいつ何か作ってるぞ!?)
(ふん!自分の身を守るために作ってるふりをしているんだ!)
人々はそう言い合い、サイエンティストへの暴行を始めた。
しかし人々に殴られ、蹴られ、痣だらけになってもサイエンティストは作業を止めなかった。
「あいつが守ろうとした世界」
ぼそりと呟いたサイエンティスト。
(おいこいつ何か言ってるぞ!?)
(なんで作業をやめないんだ!?)
(気にするな!やっちまえ!)
そう言い、人々は再び暴行を開始した。
しかし棒で殴られ、ナイフで刺され、血まみれになりながらもサイエンティストは作業を止めなかった。
「ナナの住む世界」
ポツリと呟いたサイエンティスト。
(くそ!なんで倒れないんだ!?)
(人間じゃないんじゃないのか!?)
(か、構うな!倒れるまでやっちまえ!)
動揺しながらも、人々は三度暴行を開始した。
しかし、骨を折られ、内臓を傷つけられ、血を吐きながらもサイエンティストは作業を止めなかった。
「あいつが、ナナが、私が生きた世界を」
守るんだ
最後の一言は声にならなかったが、確かにサイエンティストは言った。
人々はその姿に恐怖すら感じ、次第に暴行を加える者が減っていった。
そして最後の一人が暴行を加えるのを止めた時、サイエンティストは言った。
「か…せ……た!」
完成した!サイエンティストはそう叫んだのだが、喉を傷つけられていたために声にならなかった。
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