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ミーナはサイエンティストの部屋へと向かった。
「カラダガウゴキニクイ、ナゼデショウ?」
基本的に人間と同じようなエネルギーの補給方法のミーナは、休憩もとらず、材料も手に入らないために食べ物もサイエンティストの分しか作っていなかった。そのため確実にミーナの体は限界へと近付いていた。
「ハカセ、マタノコシテマス。チャントタベナイト、ケガガナオリマセン」
サイエンティストの周りにはグラタンが一つ。腐ることもないので綺麗なままだ。
「ハカセ、ソレヨリショクザイガ、テニハイリマセン。ナゼデショウカ?」
………
「ハカセ?キイテイルノデスカ?」
………
「ハカセ、イヤデス。ナニカハナシテクダサイ」
………
「ハカセ、トクベツニ、ナナト、ヨブコトヲミトメマスカラ」
………
「ハカセ、ナナト、オヨビクダサイ」
………
「……ハカセ」
疲れが限界に達したミーナはそのままサイエンティストに覆い被さるようにして寝てしまった。
ミーナが完璧な人口知能ではないと言われた時、サイエンティストが世界中に向けて強く言い返せなかったのは、ミーナが夢を見ないからであった。
脳波の測定で夢を見ないことが証明されてから、サイエンティストはミーナの枕に測定器をつけ、常に記録をとっていた。
しかしサイエンティストが生きている間にミーナが夢を見ることはなかった。
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