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「博士、聞いているのですか?少し休憩を」
「ナナ!休んだらそこで終了なのだよ!この沸き上がる創作意欲を止めてしまえば私は私じゃなくなってしまう!」
マッドサイエンティストはそう言うと、また作業に没頭し始めた。
「ふふ、そうですね。それからナナではなくミーナです」
マッドサイエンティストは今までに六体のアンドロイドを作り失敗している。ミーナは七体目であり初の成功体。故にマッドサイエンティストはミーナをナナと呼ぶ。ミーナは製造番号で呼ばれることを嫌がったミーナ自身が勝手に付けた名前だ。
「おお!ナナ、今笑ったな!?どんどん人間らしくなるではないか!」
『笑う』という行動は今までのアンドロイドが出来なかったことの一つである。表情を緩ませ、声を上げると言う動作は出来ても、それを行うタイミングが上手くいかなかった。
「ミーナです。それにそれくらい当然です。私を作ったのは誰だと思っているのですか?」
ミーナは少し誇らし気に言った。この表情の変化を科学者達が見たら、完璧な人工知能を少しは認めたかもしれない。
「うむ、そうだったな。たとえマッドサイエンティストと呼ばれようとも自分の信念は曲げない。そうすればこの、何もないところから水を生み出す機械も完成させることが出来るはずだ!」
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