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「ふん、ストランジサイエンティストの親友なだけはある。本当なら視界にもいれたくないが、今はそんなことも言ってられない」
ストランジサイエンティストは科学を完成させた男。しかしその完成した科学により世界を滅ぼしかけた科学者。その罪により世界の統治者に処刑された。
「彼は科学の技術を限界まで引き上げただけだ!使い方を間違えて世界を滅ぼしかけたのはお前達じゃないか!」
現在、地球には水がない。科学技術の暴走により世界の水は消え失せた。しかし科学の力により、遠い遠い星に水があることが分かった。今はそれを運んできて糧にしている。
しかしそんな状況も長くは続かない。
その星の水が、まもなく枯渇するのだ。このままのペースでいけば遅くとも一年以内。
「そんなことは知ったことではない。要は不完全な科学技術を生み出した奴が悪いのだ。奴の親友だったお前にはその責任をとってもらう」
「なんて身勝手な!私は私のやり方で世界を救う!あなたの言うことを聞くつもりはありません!」
マッドサイエンティストは世界の統治者に向かって怒鳴りちらした。それが破滅への引き金になろうとも親友を殺した男の言うことなど聞く気になれなかった。
「博………士?」
後ろからやってきたミーナはマッドサイエンティストの様子にうまく言葉が出なかった。こんな時なんて言葉をかければいいのだろう?自分は完璧なアンドロイドではないのだろうか?何故適切な言葉が思いつかないのだろう?様々な不安を胸にミーナはマッドサイエンティストの背中を見つめ続けるしか出来なかった。
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