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「あとはオーブンで十分加熱すれば完成です」
ミーナは一通りの作業を終え、休憩するためにソファーに座った。
ミーナは人間と同じように食事も睡眠も、休憩だって必要だ。エネルギーの補給も、その回復方法も人間と同じように作られているのだ。
ミーナはソファーに座った後何気なくテレビをつけた。
『緊急報道です。270チャンネル全ての放送を一時中断してお知らせします』
テレビからのアナウンスを聞きミーナは首を傾げた。
「何でしょうか?」
『近年続く太陽の異常接近に動きがありました。銀河監視システムの報告によると、太陽の接近速度がレベル2からレベル5へと上がったもようです』
過去の科学技術の暴走により、地球の軌道は変わってしまった。太陽に近づき水は蒸発、動植物はほぼ絶滅。人間は科学技術の粋を集めて作ったドームの中に非難したため難を逃れた。今では遺伝子操作で作りだした動植物を糧にして生きている。
それだというのに、近づき過ぎた太陽がさらに接近してきたと言うのだ。
『このままのペースで太陽が接近してきた場合、二ヶ月で人類の生存レベルを超えてしまいます。千年計画も間に合わないとのことです』
千年計画とは百年前に発足されたプロジェクトであり、十八銀河先に見つかった地球の形態に近い星へと人類を移動させるプロジェクトである。が名前の通り千年単位で実行する計画だったため、この短期間での完遂はありえないだろう。
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