―序章―

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少女は溜め息をついた。 「頭が教えても理解しないなら……体に教えましょうか」 「教えられるなら……ね!」 シルビアが杖を思いっきり突き出した。 しかし少女の姿はなく、少女はいつの間にかシルビアの懐に潜り込んでいた。 シルビアが横に飛ぶと少女はシルビア後ろにまわり、肩に手を当てぼそりと呟いた。 その瞬間シルビアの全身には激痛が走り、シルビアは床に倒れ込んだ。 「呆気ない。さっきまで粋がっていたのになんですかこのざまは」 少女はシルビアを見下ろした。 「これで私に刃向かうなんてこと……しませんよね?」 シルビアは少女を見上げ必死にうなづいた。 少女はニッコリ笑うとシルビアの足を踏みつける。 「でも……もう少し教えてあげないと。私を見る度に刃向かう気が失せるように……ね」 シルビアの顔が恐怖で歪んだ。 少女はシルビアの額に手を当てた。 「ちょっと苦しみましょうね?」 少女の言葉の後、シルビアの叫び声が廊下に響き渡った。
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