01 逢いたかった

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背は小さく 顔が可愛くて 笑顔が素敵で 甘え上手で 抱き締めたくなるような子 僕の理想の恋人像。だけど今まで出会った事がない。 まあ、いたとしても僕みたいな萌えゲーオタクには振り向きもしないけど。 「河辺氏、それは萌えの王道なれど我々二次元の住民には御法度ですぞ」 我らが指導者、森山氏が萌え道について語り始めた。 そして5分後、森山氏が結論を出した。 「…故に我々は二次元の住民であり、嫁は萌えゲーから見つけるべきなのである!」 ちなみに森山氏の嫁はナースのさやか、メイドのみくる、妹の羽音らしい。 僕の嫁は神野真妃露(カンノマヒロ)。毎日笑顔で「お兄ちゃん♪」って呼んでくれる。 くうぅぅぅぅっっっ!!!!たまんねぇっす!!!!! 今日も集会を終えて真妃露の待つ家へ帰宅。 あ、今日は「コンビニ限定真妃露グッズ付き~真妃露のすべて~ガイドブック全4種類」の発売日だった。全種類買って帰らなくちゃ。 「いらっしゃいませー!」 ん、今日はやけに可愛い声がするな… だけど嫁の確保が最優先事項。僕は真っ直ぐ雑誌売り場を目指した。 「あぁ、あったあった。」 自然とニヤケてしまう。 僕は全種類大切に抱き締めながらレジに向かった。 「いらっしゃいませー!」 さっきも聞こえた声につられて、レジに置いたガイドブックから徐々に目線を上げていく。 ネームプレートには「神野」の文字。 更に目線を上にやった。 透き通るような白い肌 色素の薄い茶色の瞳と髪 屈託のない笑顔 「袋に入れますか?」 ズッキューンと電流が走った。
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