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僕はまひろくんを、正面からじっくり観察してみた。
アイスティーを持つ手はとても細く、爪はヤスリをかけてあるようだ。
ストローの入っていた袋は、ストローにリボン結びにしてある。可愛らしい…
左手にはミサンガらしきものが…いつもはしていなかったような。
コンビニでの記憶を必死に呼び起こしていると、まひろくんは目線に気付いたらしい。
「これ、自分で作ったんですよ!」
「ミサンガ…だよね?どんな意味があるんだったかな…」
「着ける時に願いを込めて、切れた時に願いが叶うって聞きました!」
まひろくんの願い?
そういえば、僕はまひろくんの事を知っているようで知らない。
まひろくんは何故バイトをし、何を目標にして、何を願っているんだろう…?
聞いてみたいけど、何となく怖くなった。
もしもその中に、僕が何も関係していなかったら…僕の気持ちとは違う方向を向いていたら…
そう思うと、心の奥がズキンと痛んだ。
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