ぷろろーぐ

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 「……何処に行ったんだろ」  何か考え事をしている時に無意識に出てくる彼女の口癖だ。彼女と仲のいい人でも彼女は何も話てはいない。 『彼』が居なくなって、かなりの時間が経つのに彼女は未だに『彼』の事を思い続けている。  彼女が気付いた時には『彼』は突然居なくなっていた。周りにいる人達に『彼』が何処に行ったのか尋ねても誰も答えてはくれなかった。答えてはくれなかった、と言うよりかは何処に行ったか知らない方が大半だったが。  それでも彼女は諦めなかった。色んな所に行き、色んな人に出会い『彼』の事を探したのだが彼女の求めている答えは何一つ出ては来なかった。  ……今は集中しなきゃ 今してる作業が止まっている事に気づき、彼女は気を引きしめ手元に近くにあるレポート用紙の束に手を伸ばした。  レポート用紙の束には『エスカリエ魔法学園受験者名簿』と書かれていた。
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