5人が本棚に入れています
本棚に追加
やっぱり、これだけ嫌われるのには、それなりの理由があった。
実は僕は同級生を一人殺してしまった。
僕自身が一番驚いていた。なぜなら僕は凶器を持たずして彼を殺してしまったからだ。
小学生同士の喧嘩など所詮はその程度、人一人を殺すまでに至る事はない。しかし、僕の場合彼に指一本も触れる事なく殺してしまったのだ。
その翌日からだった、皆が僕を避け嫌がらせをしてきたのは。
誰が付けたのか、僕はその日から別の名前で呼ばれ始めた。
「死神に近ずくと死ぬぞー!!こんな奴いなくなっちゃえばいいんだ!!」
そう、僕は“死神”と呼ばれ続けてきた。初めはつらかった。僕は何もしていないはずなのに・・・・
慣れとは怖いものだ。日にちが経過すればすっかりその愛称に慣れしてもいない罪をかぶってしまう事になるからだ。
僕はどんな嫌がらせを受けても自分を押し殺して生きてきた。
一人孤独と闘いながら・・・・。そして僕は高校生になった。
最初のコメントを投稿しよう!