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第一話「不思議な転校生」
―六月。毎日雨の日が続く中、今日は珍しく雲一つない快晴にめぐまれた。
昨夜まで降っていた雨のせいで、道のいたる所に水溜りが出来、太陽の光をうけてまるで海のようにキラキラと反射して輝いている。
そんな道を相馬涼(そうまりょう)は通学路として歩いていた。
また今日も涼にとってつまらない一日が始まろうとしている。
学校に入ると、喧騒の広がっていた廊下も一瞬にして静まりかえり、冷たい視線が涼にそそがれる。
―いつもの事だ。
涼は心の中でそう呟くと一人教室へと向かっていく。
涼の教室は階段を上がった2階の一番端に位置していて、さらに座席は一番後ろの窓側だというのだから驚きだ。
涼はいつものように自分の席につくと、頬杖をついて溜め息まじりに窓の外に目をやった。
毎日がこの繰り返し。
…とすれば、もうすぐあいつがやってくる。
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