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「だーれだ。」
突然目の前は真っ暗になった。感触とこの温もりで判断すれば、おそらくこれは、人の手だろう。
しかし、突然の出来事にもかかわらず、涼は驚くどころか呆れた溜め息をついた。
「またお前か。」
「おっはよー涼。今日も元気いいね~。」
「お前は俺のどこを見てそう見えるんだ?」
「ノリだよ、ノリ♪」
「それなら俺はいつも元気っていう事になるな。」
「うん、そうだね。」
「・・・・・・。」
皮肉を素で返されてしまった…。
涼は言葉が見つからずうなりながら頭を抱えた。涼に声をかけてきた彼の名前は藤峰和人(ふじみねかずと)。
何故か涼と仲良しな変わった子である。別に彼は涼と同じように周りから嫌われている訳ではなく、というよりもむしろその逆で、女の子のような顔立ちと話題の豊富さで誰よりも愛されている存在だ。
そんな和人が何故涼と親しくするのかは全く持って分からない。
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