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ドサッ……
時刻は真夜中に近く、何百何千の妖怪の血に染まった体に、吐き気を覚えたころだった。
「巫女様…。」
桜「どうした…?」
「翠子様がいらっしゃってます…」
桜「何…?!」
妖怪の血がこびり付いた体を他所に、私は翠子の元へ向かった。
「…懐かしいな…」
桜「…あぁ、5年振りか…」
目の前には武装した巫女が待っていた。
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二人は囲炉裏を挟んだ形で向かい合い、座った。
桜「翠子…、お前のいる国はどうだ?ここ最近…妖怪達が勢いを増している。」
翠子「こちらも同じだ。妖怪は私の力を恐れるせいか、幾度となく奇襲をかけてくる…」
桜「…そうか。」
しばらくはお互い何も話さずにいた…
桜「────……実は、今まで襲ってきた妖怪達には共通する所があるんだ…」
翠子「…言ってみろ。」
桜「…東、妖怪達がやってくる方向が全て東なんだ…」
翠子「…そうか。……行くのか…?」
桜「──あぁ。」
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