+日常と告白+

8/34
前へ
/36ページ
次へ
「んじゃ、俺サボってくるわ。」 大人しくするために俺が思い付いたのはこうだ。 ひたすらに寝る! うちの高校には結構広い中庭があって、なぜかそこには目立たないようにベンチがある。 いや、本来はそんなことなかったのかもしれないが、傍らの木が思いっきり隠している。 そこで寝てたらきっと何にも巻き込まれないだろう! 「……ずいぶんと極端じゃない?別にサボんなくても…。」 「んだよ、お前が大人しくしてろって言ったんだろ?」 「…いや、だから極端なんだって。別に普通に黙って授業受けてりゃ大丈夫だろ。」 「いーや!俺は絶対にサボる!!」 断固一徹!これだけは譲れませんとも! 「…那音さぁ…ただ単にサボってみたいだけなんじゃないの?」 ――ぎくっ!!!! 「な、なぁに言っちゃってんのかしらこの子ったらぁ!」 「…なんでオネェ口調なの? ってか知ってた?那音って焦ると挙動不審の変人になるんだよ?」 「…あんだって!?」 「今のはケーズデンキね。」 ……ほんとだ~。 「ってことで、授業はきちんと受けること。」 「いやだ!一回サボってみたい!」 「……本音出たね。下手な嘘ついてもすぐバレるのに、俺に勝とうなんて10年早いんだっての!」 びしっと人差し指を突き立てられて俺はぐうの音も出ない。 でもサボってみたいんだよ…!  
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加