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拳を握り締め熱く語る俺に悠輔は深い溜め息をついた。
「…何だよ。」
ちょっと失礼なんじゃないの?
「いつの間に那音が不良になっちゃったのかと思って。…こんな子に育てた覚えはないわ!」
「お前に育てられた覚えもナイがな。」
ってか不良っていうなら悠輔の方だろう。その茶髪、実は染めてるって俺は知ってるんだぞ。
そしてお姉言葉をヤメロ。お前がやってもキモいだけだから。
「キモいって酷くない?」
「…読心術っ!?」
なんて野郎だ。そんなものまでマスターしていたとは…。
「読心術って程じゃないよ~!ある程度分かるぐらいで何もかも分かる訳じゃないし。」
「…いや、でもイヤ。なるべく使わないでくれ。」
心が読まれるのは良い気がしないし、読む方も得することばかりじゃないだろう。
何考えてるのか判んないから人間は面白いんだと俺は思う。
……………………ん?なんか流されてないか?
俺、残りの授業サボるんじゃなかったっけ?
「…あー…何か話が反れちゃったけど、もう俺行くから。ノートヨロシク!」
スチャっと片手を上げてダッシュ!
「あ、ちょっ!那音…!!」
悠輔が何か言ってるけど気にしない!全ては人生初のサボりのため!!
半ば逃げるように俺は廊下を爆走した。
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