+日常と告白+

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PM2:30。現在俺は人生初のサボりを満喫中――ではない。 あの呪いのような予言は未だに更新されていて、恐ろしいことにまた不幸な目にあっていた。 あの後廊下を爆走して中庭にたどり着きベンチに座ったと思った瞬間、座席が抜けて思いっきり尻餅をつき、あまりの痛さに唸っていたら追い討ちをかけるように毛虫がボロボロ降ってきた。 刺されました。予想の通り。 何が良かったってちゃんとブレザーを着ていたから刺されたのは手だけだったってこと。…だけ。 もう踏んだり蹴ったりで涙が出そうになりながら、取り敢えず保健室に行って手当をしてもらって廊下を歩いてるのが現在。 「……悠輔が言った通り授業受けた方が良かったかも。」 そうすれば、またシャーペンとかペンとかは消えても怪我をすることはなかっただろう。 …とんでもなく反省。やっぱり親友の言葉は聞くべきだった。 項垂れながら教室へ向かって歩いていると不意に声が聞こえた気がした。反射的に顔をそっちに向けて無意識に耳を澄ませる。 ……やっぱり声がする。ブツブツと小さい声で。 「なんか…聞き覚えがあるきが…。」 高すぎず低すぎない、でも澄んだ声音に既視感を覚えて、俺は教室に戻ることをやめてその声のする方へ歩き出した。  
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