+日常と告白+

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取り敢えず、動きたがらない身体を無理矢理動かし(背中で何かが折れたり抜けたりしたのは気にしない方針で。)、俺はヤツの手を借りながらヨロヨロと保健室に向かった。 こんなに保健室までの道のりを長く思ったことはない。ついでにいうと、一回出たのにも関わらず10分20分で保健室に逆戻りしたことも未だかつてない。 初体験ってやつですね分かります。 ……とか思ってみたりね。 だって痛いんだもん!何かで反らしてかないと絶対耐えらんないって!! 「……もうちょっとだから、頑張って。」 ヤツはたまに俺に励ましの声を掛ける。顔を下げていた俺は気力を振り絞って前を見た。 「……あー…やった、もうちょい…」 数メートル先に保健室の文字。ちょっと涙が出そう。 ズルズルと足を引きずりながら、栄光のフィニッシュを迎える。開け放した引き戸の向こうから、眼鏡の保険医の小さな悲鳴が聞こえた。 「ちょ、どうしたのよ春日くん!女の子連れ込んでこのプレイボーイ!」 「……ちょ、そこ?」 今ので一気に疲労感が4倍に跳ね上がったんですが。 項垂れる俺に保険医は駆け寄り、小さく舌を出しながら丸椅子へ俺を座らせた。 「ゴメン、冗談!」 ……冗談にならねぇぇええ!!  
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