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信じられん!あの保険医は何をしくさっているんだ!!
スルーですか、俺の主張はスルーなんですか!?聞く耳持たずって良くないよね!?
「……大丈夫?」
「…だい…じょぶ……じゃない…」
病院行くくらいならいっそ死んでしまいたい。
項垂れ涙目になる俺に、ヤツはしばし逡巡したあと、ポケットからティッシュを取り出してくれた。
「……ありがと…」
ハンカチは俺の血でベッタリにしてスミマセン。
涙のついでに鼻も勢いよくかんでいると、保険医が戻ってきた。このヤロウ俺を売りやがって裏切り者近寄ってくんな。
「……春日くん、不機嫌面ね。」
「……誰のせいだと思ってんすか。」
「え、庭師の鈴木さん?」
「……誰だよ…」
もう俺この人嫌い…。
「今ご両親に連絡取ってもらってるから、大人しく病院に行ってね。」
「……行かなきゃ…ダメ、ですか?」
「ダメ。」
そんなはっきり言わんでも…。
「化膿したら困るでしょ?バスケ、出来なくなるわよ。」
「バスケ…?」
ヤツが怪訝そうに言う。
「俺、バスケ部。」
ちなみにレギュラーです。悠輔も俺と一緒に入部して、同じくレギュラー。文武両道なあいつが羨ましい。
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