+日常と告白+

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そんな雑談を繰り広げていたら、廊下側から地響きが聞こえてきた。最初は微かに、徐々にデカく。フェードインですね分かります。 「……止まんないわね。」 「……もしか…して、目的地、ここ…だったり、して。」 保健室は校舎の突き当たりだ。 「……すごい勢い。」 本当に止まらない。誰かが全速力でこっちに走ってくる。……廊下は走っちゃダメなんだぞ。 「あれ?でも今授業中よね?」 そういえば。保険医の言う通りまだ授業終了のチャイムは鳴っていない。時間を見たら6時間目が始まって15分が経ったくらいだ。 バタバタバタバタよりもズドドドドドドが似合う地響きは、程なくして保健室の前にやって来た。急ブレーキを掛けたのかスリッパの擦れるヤバめの音がドアの隙間から流れ込んでくる。 「……すげ、転けなかった」 普通あの勢いで急ブレーキはバランス崩して転倒でしょ。 素直に驚く俺たちなんて気にも留めず、音源は勢い良くドアノブを捻り何の躊躇いもなく開けた。 「――那音っ!!」 「って、え!?悠輔!?」 なぜか飛び込んで来たのは我が大親友だった。仰天する俺を全力で無視して悠輔は容赦ない力で肩を掴み捲し立てる。  
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