+日常と告白+

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「怪我して早退ってどういうこと!?どこ怪我…って何これ!ブッ刺さってんじゃん!」 「うるせぇよ耳元でッ!!ってか痛ぇッ」 労れ、怪我人を労れッ!そしてブッ刺さってる言うな! 叫んだせいで疼痛が激しさを増す。保険医が小声で「保健室では静かに~」とか言ってるがそんなこと気にしない。痛すぎて何にも考えられない。 凉城がティッシュで汗をぬぐってくれて初めて脂汗の量が半端なく増えたことを知った。 「……あー……悠輔、俺の荷物…持ってきてくれたのか?」 「……正確には取ってきた。」 「は?」 違いがイマイチ分かんないんだが。 「そんなことより。」 こいつ反らしやがった。 悠輔は視線を俺から凉城に切り替えて目を細める。険を孕んだ眼差し。声音に冷たさを滲ませて口を開く。 「……何で凉城蛍がここにいんの?」 ……何でお前は凉城の名前を知ってんのよ。しかもフルネームかよ。 「俺が、連れて…来て、もらったんだよ。」 「ふーん。つまりは怪我して動けなくなった那音の側にいた訳だ。」 「……悠輔?」 一体どうしたのか。やけに敵対心剥き出しだ。こいつらしくない。男子には若干手厳しく、女子には優しくがこいつのモットーではなかったのか。  
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