+日常と告白+

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「………五回目だ…」 何がって、物を落とした回数が。しかも今日始まってから。 「…今度は何落としたのさ。」 「……財布…」 「うっわ…っ」 ちなみに現在、財布の他に消しゴムとシャーペン2本と上履きが片方旅に出ている。 上履きなんてどこでなくしたんだよ…。ここまで俺は抜けてはいなかったハズだ!と信じたい。 「…わりぃけど今日お金貸してくんない?昼飯がピンチ。」 「別に構わないけど…お前さ、やっぱり今日は大人しくしてた方がいいんじゃない?」 「何で?」 キョトンと返して俺に、悠輔はちょっと声を落として言った。 「…予言だよ。ほら、今朝の。」 「んだよ。そんなの真に受けてたのか?」 今朝のことを思い出して若干苛立ちが混ざった俺の口調に、悠輔は慌てて反論した。 「俺だって信じたくはないさ!実際物を何回も落とすぐらいなら全く気にしない!」 …少しは気にしてくれよ。 「…でも、お前の今日の不幸加減は尋常じゃない。 落とし物の他に転倒3回、野球ボール頭に当たるわ習字の墨はかけられるわ鳥の糞が落ちてくるわ!! 他にもあるぞ。週番の代わりに仕事は回ってくるわ女子の着替え場所だと知らずに教室に入るわ! 数えだしたらキリがない」  
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