+日常と告白+

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確かに今日はおかしい。薄気味悪くなるほどおかしい。 「だがしかし俺はそんなこと認めたくはないのだよワトソンくん!」 「…いや、ワトソンって誰だよ。しかもこれだけ酷い目にあっててなんで認めないのさ。」 軽く呆れられている空気には気づいてはいるが、敢えてのスルー。 俺だってここで退くわけにはいかないんだ。 「……だって認めたらあいつの言う通りってことになるじゃん。」 それだけは癪だ。物凄く癪だ。だからこそどんな目に遭っても認めない。 断固として譲らない俺を見た悠輔は、小さくため息をついてお手上げのポーズをした。 「……分かりましたよ~。 でもそのうち大怪我しても俺は知らないからね。車に跳ねられたってざまぁみろって笑うからな。死んでから泣いても自業自得!」 酷い言いわれようだ。 ……でも。 突き放すような物言いでもこいつは絶対心配してくれるんだって俺は知ってる。そりゃぁもう身をもって。 だから、仕方ない。 「…じゃあ大親友さまの愛情に免じてちょっと大人しくしてようかな~。」 おちゃらけた言い方でしか素直になれないけど、お前に免じて、ちょっとは大人しくしててやる。  
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