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明香里は戸惑いを隠せずに居た。
今、自分の目の前に居る男は2週間前に勤め先のお店で、携帯番号とアドレスが書かれたメモを、いきなり渡して来た男だ_と。
「…俺のこと思い出したみたいだね?(笑)」
「あのっ!す、すみません!忘れてました…」
「連絡待ってたんだけど?その返答の仕方は許せないなぁ。」
彼は少しムッと眉をひそめながら、私の顔を覗き込んだ。
“顔が近い!”
恥ずかしくて私が思わず下を向くと
「顔を上げて?迷惑なら退散するから(笑)」
「迷惑だなんて!ち、違います!」
明香里はつい、顔を上げて 彼の目を見て即答してしまった。
彼のまつ毛は長く二重瞼の瞳は、とても穏やかで優しい瞳をしていた。
明香里が彼の瞳に見惚れていると
「よし!OKだな。今日から付き合え」
「は?はい!?」
時すでに遅し。彼の車の助手席に押し込まれた_
人聞きの悪い言い方だが、
明香里自身はそう感じた。
(なんで こうなるんだろ…)
不安がよぎる中、
(後できちんと話をすれば この人判ってくれそう。)
などと安易に考えを巡らす。
ことの発端、そう あれは 2週間前に_
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