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「誰って君、過呼吸になってたんだよ? それ助けたのが僕だよ?」 男が微笑みながら言う。 少し押し付けがましく聞こえる。 何にせよ、助けて貰ったわけだしそれなりにお礼は言わないとまずいか。 『そうですか。助けてくれて、ありがとうございました。 では、帰りますので荷物はどこですか?』 男があからさまに焦りだす。 立ち上がり俺の肩を押さえ止めようとしてきた。 「ちょっ、ちょっと待ってよ君。 君って男の子かと思ったら女の子じゃん?」 何を言っているんだ。この人は。 その間にも離そうとしてくれない手を退けようとしながら言った。 『そうですけど…?』 相手の顔が近くなってきた。 捕まれていた手の力が強くなったような気がする。 「お兄さんとエッチなことして遊ぼうか?」 キスされそうになるほどに近寄ってきた。
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