─5─

4/6
前へ
/63ページ
次へ
足に数ヶ所、酷いアザが見えた。 俺に指摘されてかなり動揺しているように見える。遊梨は持っていた鞄を前に持っていき足を隠した。 「あ、何でもないよっ。あたしドジだから、転んじゃったんだ…えへへ」 転んだにしては、酷すぎるアザだ。取り繕っているようにか見えない。心配させないようにだろうか。 ────まさか。 『嘘だろ? …まさか、彼氏に「違うからっ」 遊梨は俺の言葉をはね除けて否定した。今まで見たことない表情、少し強気に睨むような視線で。 「…蓮には関係ないから。心配しないで。」 また俯き弱々しく言い放った。 関係ないって…。 俺が遊梨を心配するのは好きだからなのに。関係ないで終わらせないでくれよ。 ……悲しいじゃねぇか。 好きだから遊梨の力になりたい。 この俺の想いは無駄なのか…?
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加