199人が本棚に入れています
本棚に追加
足に数ヶ所、酷いアザが見えた。
俺に指摘されてかなり動揺しているように見える。遊梨は持っていた鞄を前に持っていき足を隠した。
「あ、何でもないよっ。あたしドジだから、転んじゃったんだ…えへへ」
転んだにしては、酷すぎるアザだ。取り繕っているようにか見えない。心配させないようにだろうか。
────まさか。
『嘘だろ? …まさか、彼氏に「違うからっ」
遊梨は俺の言葉をはね除けて否定した。今まで見たことない表情、少し強気に睨むような視線で。
「…蓮には関係ないから。心配しないで。」
また俯き弱々しく言い放った。
関係ないって…。
俺が遊梨を心配するのは好きだからなのに。関係ないで終わらせないでくれよ。
……悲しいじゃねぇか。
好きだから遊梨の力になりたい。
この俺の想いは無駄なのか…?
最初のコメントを投稿しよう!