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助けなきゃ、遊梨を。
今すぐ俺が救ってあげないと。
『今から橋へ行こう』
咄嗟に出た言葉だった。
「でも…」
いきなりこんなことを言われてもそりゃあ戸惑ってしまうよな。
『いいから、早く…』
それでも俺はしつこく言った。
「だって…」
戸惑う遊梨を構わず喋り続けた。
『…俺は遊梨が心配なんだ。大切な人が苦しんでるのに助けられないなんてもう嫌なんだ。』
だいぶ戸惑ってるのか、少しの間が空く。
「…分かった」
俺の気持ちが伝わったかなんて正直分からない。
『じゃあ、ちゃんと来てね』
そう言って俺は電話を切った。
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