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授業が終わり、自分の席で居眠りをしそうな俺のところに遊梨が駆け寄ってきた。 「大丈夫…?」 遊梨は、全く…と言いながらよそ見してるから悪いんだよと注意しつつ心配してくれた。 その優しさも全部好きだった。 「蓮!」 『え、何?』 俺は眠い目を擦り、間抜け面で遊梨のほうに顔を向けた。 遊梨は少し眉をしかめて俺の目を見つめてきた。 「話聞いてた?」 全く聞いてなかった。 遊梨が目の前にいるのに遊梨のことを考えていたからだ。 「そういうとこがいけないんだよ、蓮は。」 まったくと言って腕組みをし、頬を膨らませていた。 『そうだね、俺怒られてばっかだよな。 直さねぇとな、色んなとこ。』 俺は少ししょんぼりしてそう言った。 遊梨は腕組みしていたその手をほどき、机の横にしゃがんで両手をそっと机の端に置いて上目遣いになるように見つめてきた。 「あたしは、別にそういうの蓮の個性だからいいと思うけど...さすがに授業中はね」 俺を慰めるようになのか遊梨が恥ずかしそうに視線を逸らながらそう言った。 『うん。分かってるよ。』 可愛くてしかたがない。 今にもニヤけてしまいそうになる自分を必死に抑えた。 遊梨の優しさが俺の色んな傷口に沁みて痛いよ。 でも 嬉しい。
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