‡序章‡

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 桜庭 王位(サクラバ ミノリ)は、電車に揺られていた。  ここ数日の、寝不足のせいで、電車に揺られていると、睡魔が大群で襲ってくるかのようだった。  しかし、ミノリは、“眠かった”が、“眠りたい”とは思わなかった。  ミノリは、“眠る”ということに、恐怖をいだいていたのだ。  そして、それに関連する恐怖から、ミノリは、電車がトンネルに差し掛かると、反射的に窓から目を背けた。
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