‡第3章‡

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 ミノリにとっては、甚だはた迷惑で身勝手な要求だった。 「はぁ~~~~~。 ・・・・・・うぜえよな」  窓の外を見ながら、ひとりごちる。  窓の外には、雪に覆われた山々がうんざりするぐらいに連なり、寂しげにさえずる鳥の声と、それに混じって笛と太鼓の音が聞こえてくるだけだった。  そんな風に、暇を持て余しているミノリを、下で春樹が呼んだ。  どうせロクなことじゃないだろう、と思いながら、下へ下りていく。
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