‡第3章‡

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       4  ミノリは、父親達と会いたくなかったので、神社とは、逆の方向に向かって行く。  ミノリが媛津和村に来たのは、これが初めてではない。  もっとも、以前来た時は、まだ幼かったので、記憶は、頼りないくらい曖昧だった。  それでも、朧げな記憶を頼りに、神社とは反対の方向へ進んで行く。  10分も歩けば、家々がまばらに建ち並ぶ集落を抜け、半ば雪に埋もれている田畑を通り過ぎ、薄暗い森の中に出た。
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