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赤く輝く月の光を浴びて、深い谷の絶壁を 真っ黒な液体が遡ってくる…。
液体には 月と同じ色の 真っ赤な眼があり、糸を引きながら 探る様に翳す手は、ハッキリとした指は無い。また、風穴の様な口からは『…オ…オオ…オ』という音…いや、声が出てくる。
彼等はデファンス。
命有る者の魂を貪り(ムサボリ)、死へ導く 体だけ甦った 地獄の亡者…。
デファンスに魂を抜かれた者は、魂の無い屍となり、デファンスの手下となろう…。
…ようやく絶壁を よじ登った デファンスは、煌々と光る眼を凝らし、この先にある 集落…命を感じ取った。
命…、それは 自分達の糧(カテ)でしか無く、それ以上でも それ以下でもない。
『オ…オオオ…オ』
魂を かき集めるかの様に、デファンス達は 朧げな手を 空に突き出す。
命が…魂が…、欲しい…。
黒い液体を地面に滴らせながら、夥しい数のデファンス達は糧を求めてゾロゾロと歩き出した…。
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