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「あら ティグルちゃん 久しぶりですわね。
お変わりありません?」
メールが近付き 頭を撫でると、ティグルは照れ臭そうに下を向く。
『よして下さいよ 女王陛下…。
俺は この通り、ぴんぴんしてますぜ』
猫の様に喉を鳴らすティグルを、リュヌは変なものでも見る様な瞳で見つめた。
「お前は虎のくせに目立ちすぎだよな…。
いっそ全体を黒で塗り潰してやろうか?
税込みで」
電卓片手に、伊達眼鏡をかけたリュヌが、黒いペンキを持って近寄って来る。
『有料!? ってか目がコワッ!!
よして下さいよ 旦那ぁ!
そんな事より、明日の食事会には家来を3人まで連れて行って良いらしいじゃないですか。
アジェ様に“お前も行け”って言われたんで、俺も行く事になりました。よろしくお願いします』
「あぁ。俺も今、お前を連れて行こうと思ったとこだ。
アジェの奴には給料増やしてやろうかな。
ま、とにかく、頼りにしてるからな ティグル」
リュヌはティグルに近付き、耳の裏を かいてやった。
ティグルは気持ち良さそうに目を細め、喉を鳴らしていた。
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