紅き月光を浴びて…

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「うふふ。2人は相変わらず仲良しですねぇ。 では、私は 失礼しますわ。お休みなさい」 右手を小さく振って、メールはベランダから出ていった。 「じゃあ 俺も寝ようかな…。 ――…げっ、あと10時間後には食事会始まるじゃねーか!!」 魔界は時間の進みが人間界より遅く、魔界で5時間経つと 人間界では10時間経っている事になるのだ。 『あーあ、気の毒ですね旦那…。 寝れても 後4時間って所ですね』 ティグルの言葉に ガックリと 膝をつくリュヌ。 「…まぁ いい。 4時間寝れるなら 充分だ」 『そうですよ 旦那! 何事も プラス思考です!! …と、いう訳で 俺も寝ます』 付添人はリュヌの仕度やら何やらがある為、早く起きなくてはならない。 ティグルは ひらりと空中に舞い上がると、リュヌに一礼して 去っていった。 「シャワー浴びて寝るか…」 リュヌはトコトコと浴室に向かい、約30分後に部屋に戻って来た。 服装は 黒い絹の部屋着にガウンを羽織っている。 髪は しっとりと濡れていて、後ろから見たら間違いなく 女性と間違うだろう。 魔法で髪を乾かすと、リュヌはベットに入り、ものの10秒程で 深い眠りの中に堕ちていった…。 .
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