紅き月光を浴びて…

31/31
53087人が本棚に入れています
本棚に追加
/634ページ
「お前もミニサイズになると可愛いげがあるんだがな…」 ティグルの おとがいを人差し指で撫でながら呟くリュヌ。 ティグルは心外だとばかりに驚いた。 『何言ってんですか 旦那!! いつもの俺も 充分愛くるしいと思うんですけど!?』 「いや、いつもの お前は…… 可愛いというか、凛々しい」 まぁ 大きな猫みたいな感じだから 可愛くない訳でもないが、可愛いよりも 凛々しいという言葉の方が しっくりとくる。 『旦那が そう言うなら、そうなんスかねぇ~』 ティグルは嬉しそうに喉をゴロゴロと鳴らし、顔をリュヌの頬に擦り付けた。 「では、そろそろ参りますかな、リュヌ様?」 アジェが指し示す方には…巨大な魔法陣。 魔法陣は青白く光り、ゆらゆらと揺らめいている。 リュヌは軽く頷き、ビルフォニアの手をとってエスコートしながら 魔法陣に入った。 …ビルフォニアが再びタコの様に赤くなったのは 言うまでもない…。 .
/634ページ

最初のコメントを投稿しよう!