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私には信じられなかった。
路地裏で会った少女からもらったあの漆黒の本。
中身を見ると訳のわからない文字で生め尽くされていて普通の人には絶対に読めないと思ったけど、私には何故かその文字をスラスラと読むことが出来た。
でも読めば読むほど私の中で封印されていた感情が出てきてしまうの。
義之と音姫先輩が付き合っていたという噂は私も聞いてはいた。
私はその事実を受け入られないでいた。
私は義之のことを諦めたつもりでまだ、諦めきれていなかったんだ。
そしていつしか私の中でこんな考えが生まれてしまった。
「義之が私に振り向いてくれないなら義之を誰も知らない別の世界に連れて行けばいい。」
それはつまり義之を殺してしまえばいいということ。
もちろんそんな考えはすぐに消し去った。
そんな怖いことは私に出来る訳がなかったからだ。
でも日に日に私は義之のことを諦められない気持ちが強くなっていったのを感じた。
そしてあの少女からもらった魔道書を読んで以来不思議なことが起きてしまった。
それは夢でほぼ毎日のペースで義之を殺してしまう夢を見てしまったのだ。
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