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レナードとセオが落ち合ったアミタナより少し離れた平原。
そこに、辺鄙さゆえに名前さえ広まることのない小さな町があった。
そこには、それぞれの生活を営み平和な一時を過ごす人々の何気ない風景が広がっている。
……しかし、その町の広い道に突如として凄まじい斬撃が走った。
衝撃とともに切り裂かれた地面からは、一瞬にして炎が燃え上がり、穏やかだった町並みを赤く染めていく。
一瞬にして崩壊した生活の営み。
人々が唯一、その手で大事にしていきたいと願うものが壊れ行く音が、平穏を保ってきた偽りの日常に甲高く響き渡った。
……。
かつては、全ての闇を焼き尽くすために扱われてきた剣。
かつては、何かを守るために扱われてきたその刃さえ、時が経つにつれて伝説は廃れ行く運命にあるのだろう。
そして、悪しき者の手に渡った力が、人々に悲劇を誘発させるのだった。
…―
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