プロローグ 朝

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彼女は生まれつき足が不自由で杖がないと歩けない。 母親が早くに亡くなったので、僕が彼女の面倒を見る役目だが、気がつくといつのまにか逆の立場になっている。 小百合は自立心が強いつもりだが、どこか抜けているとこがあり、まだまだ僕を頼ることも多い。 「お父さん、今日締め切りでしょ」 「ああ、夜中やっと終わったよ。おかげで寝不足さ」 僕は食後のたばこを吸いながらそう答える。
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