第一章 水谷良朗・高校一年

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 そしたら俺は、そこで満足するか?。  ……そんな事はない。  絶対に次を考える。  今より金持ちに――もっとリッチになれる俺を考える。  そこでもっとリッチな俺が実現しても……やっぱり同じさ。  もっともっとリッチな俺を目指そうとする。  つまり、何処まで行っても考えている事は『今の俺』と、似たり寄ったり。  完全には満足出来ない……だけど、まぁまぁ楽しく生きているんじゃないのか?――と言う感想しか、口から出て来ない。  そう考えるとさ?――なんだか今の俺で良くね?……って、思えて来るんだよな。  可もなく不可もない。  そんな人生でも……まぁ、取り敢えずOK。  そう思ってた。  ……アイツが、余計な事を俺に言うまでは。
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