戦国時代の青と赤。

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  「真田幸村、決着つけよーよ!   まだ声に幼さが残る歳の男の子が、 図体に似合わぬ大きい刀を二本、腰に差して今日もまた真田幸村と言う男に付きまとっていた。   幸村はと言うと、この小さな男の子、伊達政宗の米沢城の縁側に腰掛け読書。 本から目線を外し政宗を見れば、大きな一つしかない目を更に大きくして「来い」とでも言わんばかりに幸村へ刀を抜き構える。       「……立ち合う気は無い。去れ、政宗。」   「ええ!そんな事いわないでよ!なあ、やろうよ、真剣しょーぶ。」   「やらん。去れ、読書の邪魔だ。」     幸村は政宗を手で払うようにし、再び本に目線を落とす。 かまってくれない幸村に、政宗は頬を膨らました。 そして、どうしても立ち合おうとしない幸村に、政宗は意地になる。  
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