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「裕太、どうかした?」
何かを考えている僕に
樹音は気づいたようだった
「…羅夢がいなくなってから、2年も経つんだなって。こんな風に、羅夢がいない生活が当たり前になっていくのがすごく怖いよ…」
「そんな訳ないでしょ~?みんな羅夢のこと考えてるんだよ。ほら、羅夢の席だってちゃんとある」
そう言って
樹音はみんなが座る
クッションに目を向けた
確かに
ここにあるクッションは
ここにいる人数より
1つ余計に置いてある
「待ってるんだよ、羅夢のこと」
やっぱり仲間は仲間だ
ここにいるみんなが
羅夢の帰りを待っている
忘れたことなんて
一度もなかったんだ
羅夢…君の席はいつ埋まる?
「今頃どうしてんのかな…」
「え、裕太何言ってんの?」
「…は?」
拓巳はキョトンとした目で
こちらを見ている
「ばかっ!」
それに対して
すかさずあかりが
拓巳の口を抑えた
「もー!笠Pってばどうして空気読めない所は変わってないの?」
小声でそんなことを
拓巳に話している
「え、どういうこと?僕が知らないことって何?」
そう聞き返すと
みんなが黙ってしまった
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